
広島県東広島市に本社工場を構える『紅忠サミットコイルセンター株式会社』様。主に自動車のパーツとなる鋼板の切断・加工を行う製造業の会社様ですが、その生産ラインに弊社ヒューテック・オリジンの表面検査装置を導入していただいています。表面検査装置は生産ラインに特殊なカメラを設置することで、自動で鋼板表面の疵をチェックできるシステムです。

紅忠サミットコイルセンター様の工場

鋼板が通る生産ラインの上部と下部に表面検査装置のカメラを設置してあります。
ステンレスコイルの疵チェックを
自社で行うために導入した表面検査装置
表面検査装置を導入していただいたのは2014年のこと。それ以前までは生産ラインにどのような課題があったのでしょうか?品質管理室・次長の高木様にお話を伺いました。

「まず大前提として、私たちが扱っているステンレス材というのは非常に繊細な材料であり、クライアントに疵が入った製品を納入する訳にはいきません。私たちはステンレス材を適切なサイズに切り分けてクライアントに納品していて、その際に、以前までは自社での疵チェックは目視検査に留まっていました。ステンレス材を納入してもらっているメーカーが検査した疵のデータはあったのですが、元素材を切り分けてから各クライアントに納品するため、クライアントに渡せる弊社独自の疵データがなかったんですよ。当時はメーカー提供の疵データを元に目視で疵チェックをしているだけでしたので、クライアントから疵について聞かれたときにお渡しできるエビデンスがなかったわけです」

そのような課題を解決するために導入していただいたのが表面検査装置でした。弊社の表面検査装置は、設置する生産ラインに合わせてオーダーメイドで設計するため、既存のラインにも柔軟に取り付けることができます。
生産効率アップと業務のスリム化
表面検査装置を導入していただいてから10年以上が経ちますが、製造工場での業務にはどのような変化があったのでしょう?そのことを、製造第三課・課長の久保原様はこう話します。

「以前までは、生産ラインに目視で疵チェックをする人員を1人置いていたんですよ。無理のある体勢でずっと疵をチェックするだけという大変な業務だったことも問題でしたが、疵をチェックする度に生産ラインを一時停止することによる生産スピードダウンも発生していました。それが今では自動で疵検査ができるので、生産ラインを止める必要がありません。それだけで生産効率が20%はアップしていると思います。当然目視確認の人員も不要なので、そのぶん他の箇所に人員をまわすことができて、全体の作業効率はさらにアップしているはずです」
自社で行う疵検査が営業の強みに

カメラから取得した画像を解析し、即座に疵のデータが表示されます。
生産効率の向上は、表面検査装置を導入いただく大きなメリットのひとつです。また、それに加えて、紅忠サミットコイルセンター様では、自社で疵の検査をしていること自体がクライアントへの営業の強みになっているのだといいます。
「中にはステンレスの疵状態をとてもシビアに見られているクライアントもいらっしゃいます。そういったクライアントに対しては、自社の検査でしっかりとしたエビデンスのあるデータを提出できるというのが営業の強みのひとつになっていますね。検査した疵のデータはPCからすぐにプリントアウトできるので、必要に応じてステンレス材に添付して一緒に納品しています」

納品前のステンレス材に添付されている疵データ
弊社の表面検査装置では、疵がどの位置にあるのかというデータだけでなく、それぞれの疵の写真データも出力することが可能です。それらを活用して、クライアントサポートに役立てていただいていることと思います。
さらなる生産性向上のためのアップデート
最後に、現在の表面検査装置をさらにアップデートするならどのような機能を加えて欲しいかを伺いました。

「現状では、表面検査装置を作動させるときは自動ではなく、手動でスタートボタンを押すようになっているんですよね。年に数回ですが、それを押し忘れてしまうことがあって。そのヒューマンエラーをどうにかなくせないかな、という課題があります」
弊社の表面検査装置はクライアント様それぞれに合わせてオーダーメイドで組んでいますので、運用開始からしばらくして出てきた課題にもシステムのアップデート等で対応可能です。今回の場合も、疵検査をする必要があるステンレス材が生産ラインに流れてきたときに自動で表面検査装置が作動するプログラムを加えることで改善することができます。

これからも、生産ラインの課題を解決し、さらなる生産性向上のために精一杯サポートさせていただきます。
自動車向け鋼板の加工やステンレスの加工が必要な方がいれば、ぜひ紅忠サミットコイルセンター様にご相談してみてください。元々、品質の高い加工をされていますが、弊社も微力ながら表面検査装置でその品質に貢献させていただいております。
紅忠サミットコイルセンターのみなさま、今回はインタビュー取材をお受けいただき、ありがとうございました。