(02) Products Story 枚数カウンター
他社競合製品が存在しない、唯一無二のオリジナル製品
Agendas and background prior to the development 開発前の課題と背景
コイルセンターなどで、出荷前の鋼板の枚数を計数したいというニーズがあると聞き、枚数カウンターの開発に着手しました。
積み重なった鋼板の断面部をカメラで撮影し、撮影された画像から枚数を計数するという構想でしたが、処理方式については全く手さぐりの状態からのスタートでした。
鋼板断面の境界を正確に抽出する必要がありますが、鋼板により断面部の映り方は様々で、外乱光の影響や製造原価の問題もあり、全てに対応する処理見い出せず、試行錯誤を続けました。
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試作機第一号
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製品第一号
Solution 解決方法
画像の明るさでは鋼板の境界を抽出できないため、明るさの変化量に着目しました。
ただ単純な変化量の大小では、ノイズ成分が多すぎ計数できません。確実な処理を求めて煩悶する中、ある特徴量に着目することで、ようやく汎用的に計数可能な処理が実現しました。
何を特徴量としたかは、企業秘密のため掲載できませんが、この特徴量の発見はそれ以前に取り組んでいた製品開発で、ワッシャーの欠けを検出するために考案した処理が活かされています。
この処理方式を思いついたときは、まだプログラムに実装して評価もしていませんでしたが、「あぁ、これでやっと解決できる」と、妙に確信めいたものが浮かんだことを今でも覚えています。
After the implementation 導入したその後
2016年から販売を開始し、日本だけでなく海外のコイルセンターへの販売実績もあります。
当初は、筐体の強度が不十分なため、海外への輸送途中に、内部機器の位置ずれがおこり、計測できない等のトラブルもありました。(現在は解決しています)
お客様からの反応は良好で、販売当初からご使用され、その後追加でご注文いただいているケースも複数あります。
何百枚もある鋼板を人間が目視で正確に数えるのは不可能です。枚数カウンターにより、数秒で確実に計数できる点が、評価されていると思います。
枚数カウンターをリリースするまでも、当社は鉄鋼業界のお客様とのつながりはありましたが、鉄鋼以外の方面での顧客開拓は進んでいませんでした。
枚数カウンターは鋼板を対象に開発されましたが、シート状の製品であれば素材によらず計数できる可能性があるため、それまで営業開拓を行なっていなかった部品メーカーや住宅設備メーカーなど、新規業界も視野に含めて営業活動を行っています。
「目視計数の機械化」「出荷間違い防止」といった課題を抱えたお客様の方から、お問い合わせいただく機会も増え、これまでと異なる業界の方との新しい縁を築く事につながっています。